びっくりぽんなお話し
国産レンズメーカーで、こだわりの生産を続けているSIGMA。
SIGMAはレンズだけではなく、Foveonセンサーと呼ばれる他のメーカーにはないイメージセンサーを使用したカメラも作っています。今主流になっているベイヤー方式では現せない独特な質感をFoveonセンサーに求めて、SIGMA製のカメラを使う人は少なくないのではないでしょうか。
そんなSIGMAが、新しいFoveonセンサーを採用したミラーレスカメラを出すというニュースがありました。他に趣味の無い私にとっては、これはとても大きくて、期待感の高まるニュースだったわけですが、出始めは高いだろうし、だったら一世代前のSD1が型落ちで安くなるだろうし、そっちでもいいかな?なんて思ったりして、改めてネットからカタログをダウンロードしてみたのです。
で、ここからがびっくりぽんなお話しなのです!
カタログに掲載されている写真は、ペルーで撮ったもののようなのですが、やはりFoveonセンサー、深い質感で撮れているなぁと思いながらめくっていったところ、うん!?え!?と、一枚の写真に目が留まりました。
その写真がこちらであります。
で、実はわたくしめ、3年前に新婚旅行でペルーに行ったのですが、その時に当然ながらいっぱい写真を撮りました。今まで仕事一辺倒で、海外旅行も久しぶりでしたから、とにかくいっぱい撮りました。
いっぱい撮りながらも、いい写真(というか、いい光景)は脳裏に焼き付いているものであります。
そこで、このSIGMAのカタログにある写真を見た時、瞬間的に、自分が撮った写真を思い出したのであります。
それがこちらなのであります。
構図はほぼ同じ。そして、写っているおじさんも同じなのであります。
いやはや、なんともびっくりぽんではありませんか・・・。
地球の裏側で撮った写真が、これほどまでに同じになるとは・・・。
それにしても、このおじさんはどうしてここにいるのでしょうか。
どこか遠い地方からやってきたのでしょうか。
誰かを思い、何かを思い、こうしてクスコのアルマス広場までやってきたのでしょうか。そして、この十字架に何を願っているのでしょうか・・・。
自分がおじさんの写真を撮った時、どこか寂しげな、何かを憂いた様子を感じました。そしてSIGMAのカタログに載っていた写真と比較してみると、さらにおじさんが何かの理由でここにたたずんでいることを感じ、切なくなるのであります。
【撮影雑記・後記】
4年前はオリンパスのPL2しか持っていなかった。レンズも、ダブルズームレンズキットに付いていたもののみ。今思うととても非力な感じではありましたが、それでもしっかり写っているし、今でも時々使ったりしています。当時撮った写真も、カメラの非力さは全く感じません。
SIGMAのカタログの写真と比較すると、ちょっと立体感は欠けるかもしれませんが、色合い的にはPL2の方が目の前の光景の色に近いです。当時はRAW現像というのを知らなかったので、JPEGでしか保存していません。もしRAWで撮っていてそれを現像していたら、SIGMAに劣らない質感も少しは表現できたかなと思ったりも。
どっちがどうということではありませんが、目の前の光景をそのまま写し出そうということだけ考えれば、カメラの個性ってなくなっているのかも、そう思うと、ほんとにカメラって何だろうなって思います。それよりも、やはりカメラを操る側の人間の心象風景の切り取り方が写真なのかなと思うわけであります。
【撮影機材】