『1978 新宿ゲイ メモリア グラフィカ no.4』
この間、仕事関連の後輩さんから2冊の写真集をいただきました。
そのうちの一冊がこちらであります。
タイトルは、『1978新宿ゲイ』。
後輩さんはとてもキュートな娘なのでありまして、同業者(鍼灸師)の中では珍しいくらいの感じです。そんな彼女のお父さんはカメラマンをしているということを、以前から聞いていました。
どんなカメラマンであるか、それ以上のことは聞いていなかったのですが、最近お父さんが亡くなられたと言うことで、写真好きな私にも写真を見てほしいと、お父さんの写真集をいただき、そこで初めてお父さんの生き様を、その写真を通して知ることとなりました。
最初に後輩から「父はカメラマンをしてるんですよ~」と聞いたとき、“カメラマン”という言葉の響きから、てっきりコマーシャル業界的なカメラマンを想像していたのですが、写真集を見させていただくと、いやいやそんな柔なものではなく、これはまさしく“写真家”ではないか!
後輩のお父さんのお名前は、中居裕恭氏。
かの森山大道氏のお弟子さんだったそうなのです。
森山大道氏と言えば、荒々しい粒子のモノクロ写真でその名を馳せ、寺山修司とコラボしたり、現在も精力的に活動している私の憧れのカメラマン。
後輩のお父さんは、そんな巨匠のお弟子さんだったとは!
いただいたこの写真集をめくってみると、夜の異界を切り抜く独特の世界観。
こういうドギツイ写真、好きだなぁ。
恥ずかしながら、私もかつてはこんな風に写真を撮って生計を立てたいなぁと思ったときもありました。
しかし、そんな甘い世界ではないことは百も承知。
結局そちらの世界に飛び込む勇気もなく、大事にしていたフィルムカメラはあっさりと空き巣に盗まれ、その夢は強制終了ということに・・・。
それからだいぶ月日が経ちまして、こういったほめ言葉としてのドギツイ写真を見る機会もなくなっていましたが、改めてこの写真集を見ると、日本の社会を鋭く、そしてありのままに切り抜くことで社会を挑発することの重要性を感じました。そして、写真家として生きる覚悟というものは、とてつもないパワーが必要なのだと感じました。
とにかく異界。すごい写真集であります。
※ 今回、後輩の娘さんから、ブログに書くことを 承諾いただきました。お父様の記憶がずっと語りつがれていくようにと言う思いのご厚意であります。もう一冊いただいておりますので、そちらも直に掲載しようかと思います。
- 作者: 中居裕恭,グラフィカ編集室
- 出版社/メーカー: グラフィカ編集室
- 発売日: 2008/09/06
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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