古いアルバムから
古いフィルムのネガを実家から持ってきた。
かつて、親父(おやじ)が使っていたCONTAX RTSを、ある時期からほぼ自分が独占して使用するようになり、それを使って写真を撮るようになった。ちなみにCONTAX RTSといえば、プロが使用するような高級機だが、ただでさえお金がない家なのに、あろうことか親父はローンを組んで購入し、母親にかなり怒られたのです・・・。
大学生になってバイトができるようになると、そこで稼いだお金で、CONATX STというカメラを購入した。たしか定価で20万円くらいだったと思うのだけれど、我ながら奮発し、思い切って自分のものにしてみた。
CONTAX STは、フラッグシップ機であるRTSの次に位置するラインナップではあったが、その後は後継機が出ることもなく、何となく中途半端な状態で進化が止まったような機種である。わたしはこういった機種に当たることが多いけど、そういった存在だからこそ愛着が沸くというものでもある。
CONTAX STは、とにもかくにもシャッター音がすごくよかった。シャキーンというか、切れ味がいいというのか、カメラのボディ内に音がこもりすぎず、他のカメラにはないシャッター音が醸し出されていた。今、もしこのCONTAX STと同じようなシャッター音がするカメラがあったら、それだけで間違いなく購入するだろう。それくらいあのCONTAX STのシャッター音は他になく、それが聞きたいがために、撮る側も、撮られる側も、撮影意欲が湧いてくるものでした。
その後、世の中はある時期を境に急激にデジタル化が進み、あっという間にフィルム写真は衰退しました。技術の進歩はこうして時代を刷新していくんだということを目の当たりにした一例ですが、それにしても、京セラのカメラ事業撤退は、大きな喪失感を感じました・・・。
撮影後記・雑記
この写真は、もうかれこれ今(2014年)から20年ちょっと前に撮ったものなので、正直どんな状況だったか記憶は定かではない。しかし、ここのアパートは、自分の人生の中でも、いろいろな浮き沈みを経験したところなので、とても感慨深い場所。
ちなみに写真のギターは、自分が生まれて初めて買ったモーリスのアコースティックギター。弦が切れているのは、“俺は弦を切るほど激しく弾くんだぜ!”という主張を現わしたもの・・・。今となっては失笑ものですけどね。
撮影機材
CONTAX ST
Carl Zeiss Planar 50mm F1.4
Kenko KFS-1400
去年だったか、これまで撮ったフィルムを整理しようと、フィルムスキャナを購入。レビューを見ると、外国のフィルムスキャナが良いようなのですが、予算的に無理・・。そしていくつかのレビューなどで、フラットベッドスキャナーが良いというのも読んだのですが、それだけのために置くのもなぁ・・・。なんて思って、とりあえずケンコーから出ているものを購入。決して100%満足できるものではないけれど、もうこれ以上フィルムを保存していても意味がないので、これですっきりデジタル化していく予定です。