牛腸茂雄をお手本だと思いながら写真を撮ってた日々
大学時代、写真部におりまして、まぁ、下手の横好きということで、若気の至りともいいまして、まぁ、ちょっと気取ってアートをしたかったのでございまして。
当時アート系の友達に、どうしたら写真をうまく撮れるか聞いてました。
すると友達は、「自分の好きな写真を見つけたら、言葉で説明することかなぁ。」と教えてくれた。
なるほどなぁと思い、私は写真を撮ると同時に写真論などをよく読むようになり、そしてそれまで手にしたことがほとんどなかった写真集も見るようになりました。写真集は高いので、青山ブックセンターなどで立ち読みをすることが多かったのですが、中でも気に入ったものは敬意を表して買っていました。
そんな中で出会った写真家が、牛腸茂雄。
牛腸茂雄は、幼少から胸椎カリエスを患ったため、背中が丸まる後遺症を持っていたそうで、36歳の若さで亡くっています。
この牛腸茂雄の写真集『SELF AND OTHERS』を観たとき、私は、こういう写真、いいなぁって一瞬で感じ取りました。
友達は、そう言うときは言葉で説明してみるといいといったのですが、その瞬間は、とても懐かしい光景に出会ったようで、言葉はうまく出ませんでした。
それからというもの、私は街の写真を撮るようになり、近くの公園から浅草などの待ちに出かけるようになって、人々の写真をスナップするようになりました。冒頭の写真は、その時の写真でありますが、この写真に写っている少女は、今はどんな生活をしているのか、何となく、どことなく、ノスタルジックな思いになるのです。
撮影後記・雑記
今も街の写真を撮りたいと思っている。せっかく表参道で仕事をしているのだから、この街を撮ってみたいと思う。しかし、今は撮れない。街ゆく人々にカメラを向けることが怖くなっているのだ。いきなりカメラを向けられたら怒鳴られるだろうかとか、プライバシーの侵害だといわれるだろうかとか、変なおっさんがいると通報されるだろうかとか、いろいろ考えてしまう。
街が変わったのか、人が変わってしまったのか・・・。
いや、まずもって、自分自身があの頃とはだいぶ変わってしまったのであろう・・・。
撮影機材
CONTAX ST
Carl Zeiss Planar 50mm F1.4
Kenko KFS-1400