苔生すお地蔵さん
実家に急用があり、お休みをいただいて帰省しました。
実家は箱根なので、そんなに遠くありません。しかしかといって近いわけでもないので、いつも慌ただしく仕事の後夜出て一泊し、次の日は半日いろいろ用事を済ませるといった感じで、案外時間がありません。
ということで、せっかく帰省したので、ご先祖様にご挨拶。
お墓参りに行ってきました。
実家のお墓があるお寺は、別に古刹で有名と言うこともなく、田舎にある普通の地元のお寺さんであります。
よく小さい頃は除夜の鐘を叩きに来たなぁと思いつつ、境内をぶらついてみると、お地蔵さんのコンクリート像がありました。
かなり苔生して、傷んでいる様子。
コンクリート製ですから、何とか時代の何とか調みたいなものではないのですが、それでもこのお地蔵さんの姿は、風雪に耐えて地域を見守ってきた厳かな気配を感じました。
お地蔵さんがお持ちになっている錫杖(しゃくじょう)も、コンクリートがはげ落ちて、中の鉄筋がむき出しに。
文化財にはならないけれど、理を持ったお姿は何かを物語っているのであります。
【撮影後記・雑記】
実家にはいろいろと解決しなければいけない問題もある。それに向き合わなくてはいけないことも。お地蔵さんは、やさしい。そのやさしさで以て見つめなくてはいけないのだけれども。苔生すお地蔵さんのように、堪え忍ぶ勇気が必要なのか。
【撮影機材】
OLYMPUS OM-D E-M1
OLYMPUS M.ZUIKO ED 60mm F2.8 Macro